学びのギャラリー

ノベナ校舎での創造的な学び

お絵かき、線を描くこと、感覚を使った絵の具遊び、そして支えのある室内遊び。ペガサス・インターナショナル・プリスクールのノベナ校舎で、幼い子どもたちが素材・動き・色をどのように探究しているかをご紹介します。

プリスクールでの創造的な学びには、さまざまなかたちがあります。紙に最初の線を描くことから、手で絵の具を広げること、いろいろな色を試すこと、やわらかい遊具の上を動きまわることまで。こうした体験を通して、子どもたちは見る・触れる・動くという感覚で素材を探り、言葉だけに頼らない方法で考えを表現していきます。

シンガポールのプリスクールでは、手を動かす活動が、幼い子どもたちにとっての学びを意味あるものにする助けになります。一枚の白い紙、大きな絵を描く面、あるいはやわらかい室内の遊具構造が、探究し、選び、新しいことに挑戦するための誘いになることがあります。

このページの写真は、ペガサス・インターナショナル・プリスクールのノベナ校舎での、集中した線描き、みんなで取り組む絵の具遊び、感覚を使った探究、体を動かす遊びのひとときをとらえています。

プリスクールの環境における創造的な探究

創造的な学びは、見てわかる絵や、完成度の高い作品をつくることに限られるものではありません。幼い子どもにとっては、マーカーを握ること、手を紙の上で動かすこと、絵の具を広げること、あるいは新しい手ざわりに気づくことこそが、体験の最も大切な部分かもしれません。

このような活動は、子どもたちに次のような機会を与えてくれます。

子どもたちのための機会

  • 素材の使い方を自分で選ぶ。
  • 同じ動きをくり返す。
  • 自分が描いた線を観察する。
  • 色や手ざわりを探る。
  • お絵かきや絵の具遊びを通して伝える。
  • 協応の力を練習する。
  • 大人や友だちと一緒に取り組む。
  • 自分に合ったペースで参加する。

写真には、さまざまなかたちの参加が写っています。お絵かきに深く集中している子もいれば、大きな共有の面いっぱいに絵の具を広げて探る子や、やわらかい室内の遊具に触れて楽しむ子もいます。

初期の線描きとお絵かき

線描きは、子どもが文字を書いたり細かい絵を描いたりする準備が整う前から始まります。一本の線、丸、点、くり返しのなぐり描きは、道具や動きが面にどのような影響を与えるかを学ぶ大切な段階を表していることがあります。

子どもがマーカーを握って紙の上で動かすとき、次のようなことに気づき始めるかもしれません。

子どもが気づくこと

  • 押すと目に見える跡が残ること。
  • 速く動かすと、ゆっくり動かすときとは違う線になること。
  • 円を描く動きが丸い形をつくること。
  • くり返すと跡が濃くなること。
  • 向きを変えると模様が変わること。

こうした発見が、初期のコントロールと視覚的な気づきを支えます。

大人はつい、どの絵も何を描いたのか尋ねたくなるものです。けれども、初期の絵のなかには、特定のものを描いた絵ではなく、動きそのものの探究であるものもあります。「どうやってその線を描いたの?」や「次は何を足したい?」と尋ねるほうが、より助けになるかもしれません。

微細運動のコントロールを育てる

お絵かきや絵の具遊びには、手・指・手首・目を協応させて動かすことが関わっています。

幼い子どもは、マーカーの持ち方をまだ試している最中かもしれません。力とコントロールが育つにつれて、握り方は少しずつ変わっていきます。初期の活動のねらいは、子どもの準備が整う前に完璧な鉛筆の持ち方を強いることではありません。

線描きの活動は、次のような力を支えることがあります。

支えられる力

  • 指や手の力。
  • 手首の安定。
  • 手と目の協応。
  • 力加減のコントロール。
  • 紙の上での動き。
  • 片手で紙をおさえること。
  • 短い時間の集中。

写真には、小さく細かな跡をつけたり、大きくくり返し円を描いたりと、子どもたちがさまざまな方法で描画の道具を使う様子が写っています。

こうした体験は、活動を正式な書き取りの練習にしてしまうことなく、のちのお絵かきや書く力の発達につながっていきます。

触れて動かして楽しむ感覚的な絵の具遊び

絵の具遊びは筆で楽しむこともできますが、子どもは指や手、そのほかの安全な道具を使うこともできます。

このギャラリーには、大きな暗い色の面に絵の具を直接広げているように見えるひとときもあります。子どもは、絵の具が冷たく、しっとりと、なめらかで、つるつるしていると感じるかもしれません。色がどう混ざり合うか、手の動きが目に見える跡をどう残すかを観察するかもしれません。

感覚的な絵の具遊びは、子どもが次のような問いを探ることをうながします。

探ってみたい問い

  • 二つの色が出会うとどうなるかな?
  • 絵の具は指の下でどう動くかな?
  • 長い線や丸い形をつくれるかな?
  • もっと強く押すとどうなるかな?
  • 暗い背景だと色はどう見えるかな?

すべての子どもが絵の具に触れるのを好むわけではありません。先生は筆やスポンジ、ローラーといった別の方法を用意し、子どもが心地よいと感じる参加のしかたを選べるようにできます。

大きな面で色を探る

大きな絵を描く面は、子どもと表現との関わり方を変えてくれます。

指や手首の小さな動きだけを使うのではなく、子どもは手をのばし、体をのばし、腕全体を動かすことがあります。座る、ひざをつく、紙の上に身をのり出すなど、さまざまな姿勢から取り組むこともできます。

共有の面はまた、子どもがおたがいの跡に気づくきっかけにもなります。ある子が、別の子の白い線のとなりに青い絵の具を足すこともあります。それぞれの手が重なり合うにつれて、新しい色や形が現れてくるかもしれません。

大きなスケールの絵の具遊びは、次のような力を支えます。

支える力

  • 大きな腕の動き。
  • 空間の感覚。
  • 向きをいろいろ試すこと。
  • 自分の空間とみんなの空間への気づき。
  • 協力しての参加。
  • 色の変化の観察。
  • のびのびと大きな跡を描く自由。

できあがった作品よりも、それをつくる過程での体と感覚の体験のほうが、大切かもしれません。

大人に支えられた探究を通した学び

写真には、いくつかの活動のあいだ、大人が子どものそばにいる様子が写っています。

大人の支えは、自分で行動する余地を残しながら、子どもが安心できるように助けてくれます。先生は素材を用意し、使い方を見せて、必要なときに手をさしのべることができます。

役に立つ手助けには、次のようなものがあります。

役に立つ手助け

  • なじみのない道具の持ち方を見せる。
  • 子どもが始めるのを手伝う。
  • 色や動きの名前を言葉にする。
  • 答えが一つに決まらない問いかけをする。
  • 素材を手のとどくところに置いておく。
  • 手を出す前に観察する。
  • 努力を認める。
  • 作品が完成したと感じるときを、子ども自身に決めさせる。

大人が一筆ごとに指示する必要はありません。子どもは、大人が活動を仕上げるのを見ているのではなく、あくまで主体的な参加者であり続けるべきです。

画材を通した探究

創造的な活動は、探究をもとにした学びも支えることができます。探究が探索を通してどのように育つかをご覧いただけます。

子どもは、マーカーを軽く押したときと強く押したときに何が起こるかを試すことがあります。絵の具遊びのあいだには、色をくらべたり、手のいろいろな部分を使って絵の具を広げようとしたりするかもしれません。

こうした行動は、初期の探究のあらわれです。子どもは考えを思いつき、行動を起こし、その結果を観察しているのです。

先生は、次のような問いかけで体験を広げることができます。

考えを広げる問いかけ

  • 何に気づいたかな?
  • どうやってその形をつくったの?
  • いまはどの色が見えるかな?
  • 絵の具をもっと足したらどうなるかな?
  • この跡は、さっきのと同じかな?
  • どの道具を試してみたい?

ねらいは、正しい答えを子どもに問いただすことではありません。これらの問いは、子どもがよく見て、自分が発見していることを伝えるよう誘うものです。

創造的な表現とレッジョ・エミリアに着想を得たアプローチ

レッジョ・エミリアに着想を得たアプローチは、子どもがさまざまな方法で考えを表現することを大切にします。お絵かき、絵の具遊び、動き、組み立て、感覚遊びは、どれも伝え合う手段になり得ます。私たちのレッジョ・エミリアに着想を得たアプローチについてご覧いただけます。

子どもは、体験を十分に言葉で説明できる力をまだ持っていないかもしれませんが、くり返す線、色の選び方、しぐさ、体の動きを通して伝えていることがあります。

ですから画材は、先生が選んだ工作をつくるための材料というだけでなく、考えるための道具として差し出すことができます。

先生は、次のようなことを観察することがあります。

先生が観察すること

  • どの素材が子どもの関心を引くか。
  • 特定の動きがくり返されているかどうか。
  • 子どもが色にどう反応するか。
  • 子どもがどのくらいの時間、取り組み続けるか。
  • 子どもがほかの子を見ているのか、まねしているのか。
  • 活動にどんな言葉やしぐさがともなうか。

こうした観察は、特定の絵が何を意味するかについて根拠のない思いこみをせずに、これからの学びのきっかけを考える助けになります。

室内で粗大運動の発達を支える

創造的で感覚的な体験は、体を動かす遊びによっておぎなうことができます。

ある写真には、そばに大人の支えがある中で、やわらかい円柱形の遊具の上に横たわる子どもが写っています。やわらかい室内の遊具を使う活動は、子どもが安全に整えられた環境の中で、登る・もたれる・転がる・バランスをとる・体の姿勢を変えることを可能にします。

このような動きは、次のような力を支えることができます。

動きが支えること

  • 体の感覚。
  • バランス。
  • 体幹の力。
  • 協応。
  • 姿勢を変える自信。
  • 空間への気づき。
  • 遊具に乗り降りする際のコントロールされた動き。

子どもが体への自信を育てる速さは、それぞれ違います。すぐに探り始める子もいれば、まず見てからの子や、大人の手を必要とする子もいます。

先生は安心感を与えながら、子どもが自分に合った動きを自分の力で試せるようにできます。

表現・動き・感覚の学びをつなぐ

プリスクールの学びは、いくつもの発達の領域にまたがって同時に進むことがよくあります。私たちの遊びを通した学びのアプローチをご覧いただけます。

絵の具遊びの活動には、感覚的な探究、言葉、体の協応、意思決定が関わることがあります。体を動かす活動には、自信、伝え合い、問題解決が関わることがあります。

たとえば、両手で絵の具を広げる子どもは、作品をつくっているだけではありません。その子は同時に、次のようなことをしているのかもしれません。

はたらいている学び

  • 体の左右を協応させる。
  • どれくらいの力を使うか見きわめる。
  • 色の変化を観察する。
  • 手ざわりに反応する。
  • ほかの子のとなりで場所をとる。
  • しぐさや言葉で伝え合う。

このように学びが一つに結びついていることこそ、手を動かす体験が幼児期に価値をもつ理由の一つです。

創造的な活動を通した言葉の発達

表現や動きの活動は、自然な会話の機会をつくり出します。

先生は、子どもがしていることに結びついた言葉を、次のように取り入れることができます。

取り入れたい言葉

  • 濃い
  • 薄い
  • なめらか
  • ぬれた
  • 混ぜる
  • 押す
  • 動かす
  • 横切る
  • まわる
  • もっと
  • おわり

これらの言葉は、目の前の動きと結びつくと、ぐっと理解しやすくなります。

ペガサス・インターナショナル・プリスクールでは、英語・中国語・日本語に触れる機会を、なじみのある日課や活動のなかに自然に取り入れることができます。大切なのは、ばらばらの言葉を暗記させることよりも、意味のある伝え合いに重きを置くことです。

自信・選択・自立

創造的な体験は、子どもが自分にできる範囲の選択をすることを可能にします。

子どもは色を選んだり、どこから始めるかを決めたり、道具を選んだり、どのくらい続けるかを決めたりできます。こうした決定が、育ちつつある自立の感覚を支えます。

先生は、子どもを困らせることなく選択肢を差し出すことができます。たとえば、次のように。

かんたんな選択肢を差し出す

  • 黒と青のマーカー、どっちがいい?
  • 指を使う?それとも筆を使う?
  • テーブルにすわる?それとも床でやる?
  • 始めるのを少し手伝おうか?

活動は、どの子も同じ結果を出す必要はありません。取り組み方の違いは当たり前のことであり、むしろ歓迎してよいものです。

おうちで創造的な学びを続ける

ご家庭でも、身近な素材を使って同じような探究を支えることができます。シンガポールでの私たちのプリスクールのカリキュラムをご覧いただけます。

ふさわしい選択肢には、次のようなものがあります。

ご家庭で用意できる、かんたんな画材
  • 大きな紙。
  • 水で洗えるマーカー。
  • クレヨン。
  • 子どもに安全な絵の具。
  • 段ボール。
  • スポンジ。
  • 再生紙。
  • 汚れてもよい服を、お絵かき用のエプロン代わりに。
  • 水で洗えるマットや、おおいをかけたテーブル。

保護者の方は、一つか二つの素材を手のとどくところに置き、子どもがじっくり探る時間をとってあげるとよいでしょう。

役に立つ声かけや問いかけには、次のようなものがあります。

声かけと問いかけ

  • 長い線を描いたんだね。
  • つぎはどの色にする?
  • 絵の具はどんな感じ?
  • 色が混ざったとき、どうなった?
  • もっと紙がほしい?
  • いま何をしているか、教えてくれる?

できあがった結果だけをほめるよりも、その過程に目を向けるほうが、しばしば助けになります。努力や動き、選んだことについての声かけは、子どもの探究をしっかり受けとめていることを伝えてくれます。

ノベナ校舎にて

フォトギャラリー

下のギャラリーでは、ノベナ校舎で子どもたちがお絵かき、線描き、感覚を使った絵の具遊び、室内での体を動かす遊びに取り組む様子をとらえています。写真には、集中するひととき、色の探究、手を動かした発見、そして大人との温かなやりとりが写っています。

よくある質問

よくあるご質問

子どもは初期のお絵かきや線描きから何を学びますか。

初期の線描きは、子どもが手の力、協応、視覚的な気づき、描画の道具のコントロールを育てる助けになります。また、見てわかる絵や文字を描く準備が整う前から、試したり考えを表現したりする方法を子どもに与えてくれます。

感覚的な絵の具遊びは、プリスクールの子どもにとってなぜ役立つのですか。

感覚的な絵の具遊びは、直接の体験を通して色・動き・手ざわりを探ることを可能にします。それは、ものごとを言い表す言葉、手と目の協応、創造性、そして原因と結果についての初期の理解を支えることがあります。

フィンガーペイントは、幼い子どもに向いていますか。

水で洗える、子どもに安全な素材を使い、そばでしっかり見守るなら、フィンガーペイントは向いています。絵の具に触れるのが苦手な子どもには、代わりに筆やスポンジ、そのほかの道具を用意してあげられます。

創造的な遊びは、探究をもとにした学びとどうつながりますか。

創造的な遊びは、素材に何ができるかを試すよう子どもをうながします。子どもは力加減を変えたり、色を混ぜたり、動きをくり返したりして、その結果を観察します。先生は、答えの決まらない問いかけを通して、その考えを広げることができます。

保護者は、おうちで線描きをどのように後押しできますか。

保護者の方は、大きな紙、水で洗えるクレヨンやマーカー、そして自由に描くための十分な時間を用意してあげられます。絵が何なのかだけを尋ねるのではなく、子どもが使っている線・色・動きについて声をかけるとよいでしょう。

実際にご覧ください

ペガサスで手を動かす学びをご覧ください

お絵かき、感覚的な絵の具遊び、体を動かす活動は、子どもに探究し、伝え合い、自信を育てるためのさまざまな方法を与えてくれます。ぜひ学校にお越しいただき、学びの空間をご覧になり、スタッフとお話しし、お子さまに合いそうなプログラムを見つけてください。

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