プリスクールでの屋外サイエンス探究
植物・葉・花・種・自然素材に触れる、手を使った発見の時間。ペガサス・インターナショナル・プリスクールで、幼い子どもたちがどのように好奇心と初期の科学的な思考を育んでいくのかをご紹介します。
屋外でのサイエンス探究は、就学前の子どもたちに、自然の世界を直接体験しながら調べる機会を与えてくれます。絵や説明だけから学ぶのではなく、子どもたちは本物の植物を観察し、葉を比べ、種に触れ、花を調べ、身のまわりの変化に気づくことができます。
シンガポールの就学前の学びの環境において、こうした体験は、子どもたちが身のまわりの生きものにより興味をもつ助けとなります。手を使った探究は、子どもたちがじっくり見つめ、問いを投げかけ、気づいたことを分かち合うよう促します。
このページの写真は、屋外と教室の両方の場面で、子どもたちが植物や自然素材に関わる瞬間をとらえたものです。導きのある探究を通して、子どもたちは初期の科学的な思考を育みながら、言葉・感覚の気づき・協調性、そして自分の考えを表現する自信を身につけていきます。
屋外サイエンス探究とは?
屋外サイエンス探究は、実際の世界での観察と発見を通して、子どもたちに初期の科学的な考え方を紹介します。幼い子どもに複雑な事実を暗記させる必要はありません。そのかわりに、出会ったものについて気づき、触れ、比べ、分け、言葉にし、問いを投げかけるよう促されます。
一枚の葉、一輪の花、一粒の種、一本の枝や一本の木が、意味のある学びの出発点になります。子どもたちは、色・形・大きさ・手ざわり・においの違いに気づくかもしれません。なぜある葉はなめらかで別の葉はざらざらしているのか、なぜ花にはさまざまな色があるのか、種はどのようにして植物へと育っていくのか、と不思議に思うこともあるでしょう。
こうした素朴な観察が、科学的な思考の土台を支えます。子どもたちは、じっくり見つめ、考えを試し、発見したことを話し合うことで世界について学べるのだと、少しずつ理解していきます。
植物・葉・花・自然素材を通した学び
自然素材は、就学前の学びに豊かな機会をもたらします。まったく同じものが二つとないからです。葉は形や手ざわりがさまざまで、花は大きさ・色・つくりが異なり、種は丸いもの、平たいもの、なめらかなもの、ざらざらしたもの、軽いもの、重いものがあります。
こうした素材を使った活動は、子どもたちをさまざまな方法での探究へと誘います。
子どもたちができる探究
- 葉を色や形ごとに分ける。
- いろいろな花の大きさを比べる。
- 植物の各部分を観察する。
- 種や自然のものを仕分ける。
- 素材を模様のように並べる。
- 本物のものを絵カードと合わせる。
- その素材がどこから来たのかを話し合う。
これらの写真は、子どもたちが自然のものを観察し、手にとり、比べる瞬間をとらえています。こうした体験は、子どもたちが言葉で情報を受け取るだけでなく、本物のものと関わるからこそ、学びをより具体的なものにしてくれます。
観察する力と問いかける力を育てる
観察は、大切な初期の科学の力です。幼い子どもは、じっくり調べる時間が十分に与えられると、大人が見落としがちな細部にしばしば気づきます。
自然探究の間、先生は次のような開かれた問いで子どもたちを導くことができます。
考えることを促す問い
- 何に気づいたかな?
- これらの葉はどこが違うかな?
- この花はどんな手ざわりかな?
- どちらのものが重いかな?
- 次に何が起こると思う?
- この種はどこから来たと思う?
これらの問いには、決まった一つの答えはありません。子どもたちが対象をよく調べ、自分の考えを説明し、他の子の考えに耳を傾けるよう促します。私たちの探究型学習のアプローチと、それが日々の好奇心からどのように育っていくのかについて、さらにご覧いただけます。
時間とともに、子どもたちは自分から問いを投げかけることに、より慣れていくかもしれません。これは好奇心を支え、学びは「不思議に思うこと」から始められるのだと理解する助けになります。
感覚を使った、手を動かす学び
自然探究は、いくつもの感覚を同時に働かせます。子どもたちは葉の模様を見つめ、枝の樹皮に触れ、花のにおいをかぎ、屋外の環境の音に耳を澄ませるかもしれません。
感覚を使った体験は、新しい概念を理解し、覚えやすくしてくれます。たとえば、いろいろな葉に触れた子どもは、なめらか・ざらざら・薄い・厚い・やわらかい・乾いた、といった言葉をよりよく理解できるようになるでしょう。
手を動かす活動は、実際に行うことで学べるため、幼い学び手にとって特に適しています。長い説明をじっと聞くのではなく、子どもたちはその体験の中で積極的な役割を担うことができます。ペガサスで一日を通して子どもたちが遊びを通してどのように学ぶのかをご覧いただけます。
幼児やより年齢の低い就学前の子どもには、触れる・見る・名前を言う・簡単な比較をする、といったことに重点が置かれるでしょう。年長の就学前の子どもには、ものを分類したり、観察を記録したり、予想を立てたり、自分の考えをより詳しく説明したりするよう促すことができます。
言葉と語彙の発達を支える
サイエンス探究は、言葉の学びも支えます。子どもたちは、見たことや感じたことを表すために、自然と言葉を必要とします。
活動の中で、子どもたちは自然界のさまざまな側面に関わる語彙に出会うかもしれません。
子どもたちが出会うかもしれない言葉
葉・茎・花びら・種・根・枝・なめらか・曲がった・乾いた・新鮮といった言葉は、子どもたちが本物のものと結びつけられるとき、いっそう意味のあるものになります。
ペガサス・インターナショナル・プリスクールでは、子どもたちは園の環境の中で英語・中国語・日本語に触れます。自然に根ざした学びは、子どもたちがさまざまな場面で語彙を耳にし、使い、繰り返し出会う自然な機会をもたらします。
目的は、ただ言葉を暗記することではありません。子どもたちは、観察したことを説明し、比べ、問いかけ、伝えるために言葉を使うよう促されます。
手先の細やかさと協調の力
自然素材を扱うことは、科学の学びだけでなく、身体の発達も支えます。
子どもたちは、手を使った小さな動作の一つひとつを通して、手先の細やかなコントロールを練習できます。
手を使う力
- 小さな種をつまみ上げる。
- 葉を持ち、裏返す。
- 花びらを一枚ずつ分ける。
- ものをグループに分けて置く。
- トレーの上に素材を並べる。
- 植物の特定の部分を指さす。
- ものをカードや絵と合わせる。
これらの動作には、手や指のていねいな動きが求められます。また、手と目の協調やコントロールを育てる助けにもなります。
先生は、子どもの年齢に応じて適切な素材を選び、活動を見守るべきです。特に小さなものを扱うときには注意が必要です。
協力と対話
自然探究は、みんなで分かち合う体験にもなります。子どもたちは隣り合って活動し、素材をやり取りし、発見を比べ、見つけたものについて話し合うかもしれません。
ある子は葉の形に気づき、別の子はその色に注目するかもしれません。子どもたちがこうした観察を分かち合うとき、同じものでもさまざまな見方ができるのだと学びます。
協力しながらの探究は、子どもたちが大切な社会性とコミュニケーションの力を練習する助けになります。
いっしょに学ぶ
- 順番を守る。
- 相手の話に耳を傾ける。
- 自分の意見を伝える。
- 問いを投げかける。
- ほかの人の考えにつなげて広げる。
- 簡単な問題をいっしょに解く。
これらの写真には、子どもたちが一人での探究とグループでの探究に取り組む様子が写っています。こうした瞬間は、自分で考える力と、友だちとのコミュニケーションの両方を支えてくれます。
サイエンス探究と探究型学習をつなげる
探究型学習は、好奇心から始まります。先生はすぐにすべての答えを与えるのではなく、子どもたちが自分で調べる機会をつくります。
先生は葉を集めて見せ、それをどう整理できるかを子どもたちに尋ねるかもしれません。答えはいくつも考えられます。ある子は大きさで分け、別の子は色・形・手ざわりで分けるかもしれません。
そのうえで先生は、子どもたちに自分の選び方を説明するよう促すことができます。こうして、考える過程が、最終的な答えと同じくらい大切なものになります。
このような学びの体験は、子どもたちが積極的な参加者になることを支えます。子どもたちはただ情報を受け取るだけでなく、観察し、試し、話し合い、自分の考えを見直していきます。
自然とレッジョ・エミリアに着想を得たアプローチ
レッジョ・エミリアに着想を得た環境では、子どもは探究する価値のある考えをもった、有能な学び手としてとらえられます。子どもを取り巻く環境・素材・関わりのすべてが学びに寄与します。私たちのレッジョ・エミリアに着想を得たアプローチについて、さらにお読みいただけます。
自然のものは、開かれた学びの素材として役立ちます。一つの決まった目的しかないおもちゃとは違い、葉・枝・種・花・石は、調べたり、分けたり、数えたり、並べたり、描いたり、写真に撮ったり、さらなるプロジェクトのひらめきとして使ったりできます。
屋外の場所は、教室の延長としても機能します。子どもたちは同じ植物や同じ場所を時間をかけて何度も訪れ、その変化に気づくかもしれません。葉についての一つの問いが、絵を描くこと、物語をつくること、測ること、語彙の学び、あるいは植物の成長についてのより長い探究へとつながっていくこともあります。
活動の方向は、決められた手順に従うのではなく、子どもたちの観察や問いから生まれ広がっていきます。
先生がすべての答えを与えずに導く方法
開かれた探究の間も、先生の導きは変わらず大切です。先生の役割は、子どもを支えないまま放っておくことではなく、より深く考えられるように手助けすることです。
先生は、さまざまなおだやかで意図的な方法で、発見を支えます。
先生が発見を支える方法
- 安全で興味をひく素材を用意する。
- 子どもがそれとどう関わるかを観察する。
- 役に立つ語彙を紹介する。
- 開かれた問いを投げかける。
- 子どもに自分の考えを説明するよう促す。
- 子どもの言葉や発見を記録する。
- 別の調べ方を提案する。
- 今の観察を、これまでの経験と結びつける手助けをする。
たとえば、二枚の葉がなぜ違って見えるのかをすぐに子どもに教えるのではなく、先生はその表面・ふち・色を比べてみるよう子どもに促すかもしれません。
このアプローチは、適切な導きを与えながらも、子どもに考える時間をもたらします。こうした体験が日々の学びにどのように結びついているのか、シンガポールにおける私たちの就学前カリキュラムをご覧いただけます。
家庭で自然探究を続ける
保護者の方は、特別な道具がなくても、早期のサイエンス探究を後押しできます。日々の身のまわりには、たくさんの機会があります。
ご家族で少し散歩に出かけ、いろいろな形の葉を探したり、道ばたに育つ植物を観察したり、庭の花を比べたり、天気の変化について話したりできます。
ご家庭では、保護者の方が子どもを、簡単な方法で自然の世界を探究し続けるよう誘うことができます。
- 集めた葉を大きさごとに分ける。
- 観察した花を描く。
- 新鮮な葉と乾いた葉を比べる。
- 果物の種をよく見る。
- 安全な自然のものの手ざわりを言葉にする。
- 植物に水をやり、その変化を観察する。
- 数日にわたって植物の写真を撮る。
保護者の方は、簡単な問いを投げかけ、子どもの考えにていねいに耳を傾けることで、学びの過程を支えられます。いつもすぐに説明をしてあげる必要はありません。いっしょに不思議に思うことが、この体験の大切な一部になり得るのです。
フォトギャラリー
下のギャラリーには、子どもたちが植物を観察し、葉や花を手にとり、種を調べ、自然素材を比べ、そして発見を友だちと分かち合う瞬間が収められています。屋外での観察が、より深く調べ、話し合い、手を使って学ぶために教室へと持ち込まれていく様子をご覧いただけます。
よくあるご質問
就学前の子どもは屋外のサイエンス活動から何を学びますか?
屋外のサイエンス活動は、子どもたちが観察・比較・仕分け・問いかけ・対話を練習する助けになります。また、語彙の発達、感覚の気づき、手先の細やかさ、そして植物や自然環境についての初期の理解も支えます。
自然探究はどのように探究型学習を支えますか?
自然探究は、子どもたちに調べるための本物のものや状況を与えます。先生は、ただすべての答えを与えるのではなく、じっくり観察し、問いを投げかけ、説明を考え、さまざまな考えを比べるよう促すことができます。
屋外のサイエンスは幼児に向いていますか?
はい、活動が年齢にふさわしく、ていねいに見守られていれば向いています。幼児は、安全な自然素材を見る・触れる・名前を言う・比べる、といったことから始められます。小さなものや適さない植物は避けるか、しっかり管理する必要があります。
保護者は家庭でどのようにサイエンス探究を後押しできますか?
保護者の方は、自然の中を散歩したり、植物を観察したり、安全な葉や種を調べたり、簡単な植物を育てたり、自然のものを比べたり、開かれた問いを投げかけたりできます。日々の体験が、特別な道具がなくても、有意義なサイエンスの対話になり得ます。
レッジョ・エミリアのアプローチは自然と環境をどのように用いますか?
レッジョ・エミリアに着想を得たアプローチは、環境と手に入る素材を学びの大切な一部としてとらえます。自然のものは、調べること、話し合うこと、描くこと、仕分けること、物語をつくること、そして子どもの興味や問いに導かれた長期のプロジェクトに用いられます。
ペガサスで学びがどのように生き生きと立ちあがるかをご覧ください
屋外サイエンス探究は、子どもたちが観察・遊び・対話・手を使った体験を通してさまざまな考えを探る、数多くの方法の一つです。ぜひお越しいただき、学びの空間をご覧になり、お子さまの年齢に合ったプログラムについて私たちのスタッフにお尋ねください。