オープンエンドの問いかけは、保護者が使える最もシンプルで力強い道具のひとつです。答えがひとつに決まっている質問とは違い、子どもが声に出して考え、不思議に思い、自分なりの考えを分かち合うきっかけになります。ペガサス・インターナショナル・プリスクールでは、このような問いかけの姿勢が、レッジョ・エミリアに着想を得た探究型のアプローチの中心にあります—私たちは子どもの声にじっくり耳を傾け、その考えを尊重し、自分の力で振り返り、問題を解決するための時間を大切にしています。この記事では、その同じやさしい好奇心を、おうちでの毎日の会話にどのように取り入れられるかをご紹介します。
こんな方におすすめ
すべての就学前の段階の保護者の方へ—それぞれの問いかけをお子さまの年齢に合わせて工夫する、かんたんなヒントとともに。
オープンエンドの問いかけとは?
クローズドな質問は、たいてい短くて決まった答えになります。一方、オープンエンドの問いかけは、もっと豊かな返事を引き出します。この二つを比べてみましょう。
- お話は好きだった? — たいてい「うん」か「ううん」のひと言で終わってしまいます。
- お話のどんなところが好きだった? — お子さまが気づき、選び、そして説明するきっかけになります。
どちらの質問にもよいところがあります。クローズドな質問はすばやく分かりやすく、オープンな問いかけは振り返りをうながし、子どもがじっくり考える余地を広げてくれます。目指すのは、毎日の会話にオープンな問いかけをほんの少し加えていくことです。
オープンエンドの問いかけが大切なわけ
やさしく、そしてこまめに使うことで、オープンな問いかけは子どものさまざまな育ちを支えてくれます—ことば、自信、考える力、想像力、気持ちの表現、相手の立場に立って考えること、問題を解決する力、そして何より、あなたとのつながりです。もちろん保証があるわけではなく、どの子もそれぞれのペースで育っていきます。けれども、子どもの声が本当に聞いてもらえるおうちは、育つのにとても素敵な場所です。
テストにならない聞き方
子どもは、あたたかな問いかけとテストとの違いをちゃんと感じ取ります。声の調子、タイミング、そして体の動きは、ことばと同じくらい大切です。気持ちがゆったりしているときに、お子さまと同じ目線までかがんで、どんなことを言っても本当に興味があるという気持ちを見せてあげましょう。目的は理解することであって、試すことではありません—そして、正解はひとつだけではないのです。
考える時間をあげましょう
問いかけたあとは、その静けさをすぐに埋めたくなる気持ちをぐっとこらえてみましょう。沈黙は困ったことではありません。たいていは、お子さまが考えている証拠です。あわてず数秒待ってあげて、口をはさんだり、文の続きを言ってしまったりしないようにしましょう。いちばんよい答えは、この考える時間の中から生まれます。
そっと問いを重ねてみましょう
お子さまが答えたら、やさしく問いを重ねることで会話が続き、あなたが本当に耳を傾けていることが伝わります。
- もっと教えて。
- どうしてそう思ったの?
- それから、どうなったの?
- どうやって決めたの?
- ほかには、どんなことが起こりそう?
- ほかのやり方もあるかな?
思いがけない答えも受けとめて
子どもは、世界を驚くほど思いがけないかたちで見ています。答えに驚かされたときは、正そうとするのではなく、好奇心をもったままでいましょう。大切なのは正しさではなく—お子さまがどんなふうに考えているのかを理解し、その考えには聞く価値があるのだと伝えることです。
会話を分かち合いましょう
お子さまが話したあとは、同じ質問にあなた自身の答えも伝えてみましょう。そうすると、一方通行の質問が本物の会話に変わり、考えを深めることばのお手本になり、これは一緒にやることなのだと、そっとお子さまに伝わります。
年齢に合わせて問いかけを工夫しましょう
同じ心もちは、どの段階でも通じます—変わるのはことばの選び方だけです。
- 生後17か月まで:お子さまはまだことばで答えられないかもしれませんが、それでまったく大丈夫です。目にしたことをそのまま声にして—「あかいボールを見てるね」—そして少し待ってあげましょう。あなたはことばのお手本を示し、会話の土台を築いているのです。
- スマート・トドラーの時期:短く、具体的に伝えましょう—「なにが見える?」や「これはなあに?」。私たちのスマート・トドラー・プログラムも、同じように日常の中で五感をたっぷり使うアプローチを取り入れています。
- ナーサリー1・2の時期:やさしく「どうして」や「どうやって」を加えてみましょう—「どうやって作ったの?」や「どうしてその色をえらんだの?」。
- キンダーガーテン1・2の時期:もっとしっかりと理由を考えるようにうながしましょう—「もし〜だったら、どうなるかな?」や「ほかに解決するやり方はあるかな?」。
これは、学校での探究型学習にも流れている、同じ考える力の道すじです。そこでは子どもたちが、問いかけ、考えを試し、そして振り返ることをうながされています。
毎日のなにげない瞬間を活かして
オープンな問いかけのために、特別な時間を用意する必要はありません—ふだんの何気ない瞬間こそぴったりです。こんなときに、ひとつ試してみましょう。
- 食事のとき
- お風呂のとき
- 移動のとき
- 外のお散歩のとき
- お話の時間
- 工作やお絵かきのとき
- 寝る前のとき
ちょっとした問いかけの例集
ここでは、心にとめておきたいオープンな問いかけを、何を引き出すかごとにまとめてご紹介します。リストを上から順にこなすのではなく、その場に合ったものを一つか二つ選んでみてください。
- 観察:なにか気づいたことある? なにか変わったところはある? なにが見える、聞こえる、においがする?
- 想像:つぎはなにが起こりそう? これはなにになるかな? もしお話しできたら、なんて言うと思う?
- 気持ち:この人、どんな気持ちだと思う? なにをしてあげたら助かるかな? これについてもっと知りたい方は、子どもが自分の気持ちを話せるようになる問いかけのガイドをご覧ください。
- 問題解決:どんなことを試してみようか? ほかのやり方もあるかな? まずなにが必要かな?
- 振り返り:どんなところがうまくいった? どこがむずかしかった? もう一度やるなら、なにを変えてみる?
お子さまをひとりの人として知るための問いかけをもっと知りたい方は、姉妹記事でお子さまをもっとよく知るための意味のある問いかけをご紹介しています。ガイドの全集は探究型学習のセクションでご覧いただけます。
おわりに
オープンエンドの問いかけは、答えそのものよりも、それが引き出す考える力—そしてつながり—にこそ意味があります。完璧に、いつも問いかける必要はありません。心のこもった「あなたはどう思う?」というひと言に、あわてず耳を傾けること。それだけで、お子さまは自分の考えが大切にされていると感じます。それこそが、学校でもおうちでも変わらない、探究の静かな心なのです。


